エキサイト20周年企画|あぁ、我らが愛しの「JK制服20年史」

あぁ、我らが愛しの「JK制服20年史」

ルーズソックス、ミニスカ、シュシュ、スポーツリュック…時代とともにめまぐるしく移り変わるJKの制服カルチャー。その着こなしとライフスタイルは歴代のJKが自らの手で切り開いてきたもの。今回は、エキサイト20周年を祝して、JKのこの20年間の変移に注目。 いつの時代もJKは正義!
愛を込めて称賛を贈る、JK制服20年史。

~確かにいた~ 4時代分“架空JK”の生活を覗き見

1997年からの20年間、制服の着こなしはもちろん、JKのあらゆる趣味趣向は大きく変化してきました。まず時代を4分割し、架空のJK4人を設定。その生活を描きます。

♡97年〜01年♡ 生きているだけでトレンド! JK最先端時代

極めて細くかつ力強い眉、バブルの名残を感じさせるギラッと輝く瞳。彼女はアイ。渋谷109を愛する女子高生だ。放課後は紺ソを脱ぎ捨て、ルーズを装着。渋谷に繰り出す。ハイソもいいけど、やっぱ王道はルーズでしょ。サブバはもちろんファミマのビニール袋。ママが作ったお弁当もファミマの袋にイン。ロドニーキャラが可愛いんだっ!

最近一番のニュースは、やっぱり、安室奈美恵の結婚&妊娠。「だって安室ちゃん、あんなに幸せそうなんだモーン。私も早く結婚した〜い」。ノブコの将来の夢は“コンピューター系の仕事についてぇ、職場で優秀な人を見つけてぇ、さっさと結婚するぅ”こと。安室ちゃんが結婚記者会見で着ていたバーバリー・ブルーレーベルのチェックミニスカももちろん入手。自分で? まっさか〜ぁ。ピザ屋のバイトじゃ全然足りないよね。クラブで出会った大学生の彼からのバースデープレゼントだよ。彼は年上に限る。あ〜ん、早く結婚したいっ!

♡02年〜06年♡ オンリーワンこそ正義 「カワイイ女子≒デコ職人」時代

全身から溢れる自己主張。髪には驚くほどにえぐいシャギー。彼女はミツキ。都内の高校に通う女子高生。いつも持ち歩いているのはMDプレイヤー(倖田來未大スチッ)、お気に入りの漫画(NANAまぢ泣ける)、100均の鏡(コスパ最強)…いろいろあるけど、やっぱポスカっしょ。

紙にも布にも、肌にも書けるデコりの必需品ナリ。ケータイ、スクバ、ジャージはもちろん、上履きにもラインストーン。接着のりがついたラインストーンはポロポロ取れるから、接着剤とピンセットを使用。一つひとつ魂を込めて配置していく。プリクラはカラコして、学校の机にON。ゲーセン来たら3回はプリ撮るよね。授業中はプリ帳デコ。くぅちゃん(倖田來未)の歌詞入り画嬢でデコるのがミツキ流。彼氏はいないけど、女友達と叫んでいるのが楽しい〜! 我等友情永遠不滅成っ! 一生仲仔♡

♡07〜11年♡ 病み癖・盛り癖・投稿癖…三大暗黒闇時代

信じがたい強烈な目力。彼女はミレイ。好きなものはスイパラ、つけま、前略プロフ、mixi。中でもつけまへの愛は異常。100均、ドンキ総ざらいはもちろん、好きなモデルや人気メイクアップアーティストが監修した商品を買い漁り、自宅で研究。2個重ね付けも当たりまえ。時間が空くと自撮りしてプロフやブログにアップ。裏ピースをあごの下に当てて小顔を狙うのはもちろん、「みーたそ♡ID:123456」の文字を鼻の上に乗せるのも忘れずに。

ケータイで聴くのはもちろん西野カナ。半年前に付き合い始めたサッカー部の彼氏はあんまり連絡をくれない。ガラケーのウィンドーがパッと光って、メールアイコンと共に彼の名前が浮かび上がる瞬間がミレイの一番幸せな瞬間。でもメールの内容が雑すぎて、3秒後にはまたカナやん。あー、震える〜…。さげぽよ。『君に届け』の風早くんと付き合いたい。病み。

♡12年〜17年♡ 盛りすぎなやつ もう グンナイ 自然体(演出)少女時代

あどけない雰囲気にどこか作り込まれた少女感…。彼女はリノ。毎朝、重すぎず、軽すぎずない絶妙加減の前髪を作り込むところから一日が始まる。好きなものはカフェ、公園、アート。インスタはライフワークなので趣味じゃないよ。メイクでこだわるのは涙袋とチークとリップ。前髪の重たい彼氏はカフェでバイト中。将来は自分のカフェをオープンするんだって。彼はバリスタの専門学校に行くし、リノは大学に進学して海外留学をするつもり。ずっと一緒なんて保証はないけど、今が楽しいから1日1日を大切にしたいな。

毎日の密かな楽しみは彼とインスタストーリーで会話すること。“二人以外にはわからないように”しているつもりだけどみんなにバレてるみたいw。消えてっちゃうのはもったいないけど、ずっと残るのも色気ないしね…全部スクショしているのは内緒卍

~絶対比率は諸行無常~ 譲れないスカート&ソックス丈の変移

ルーズソックス、紺ハイソに続き、現在のJKの足もとトレンドは「紺ハイソくしゅくしゅ履き」。なぜ彼女たちは紺ハイソを伸ばさずに履くの? この20年の私服トレンドを踏まえ、スカート丈、ソックス丈の変移を解説。

♡97年〜01年♡ ミニスカ×ルーズソックスはアムラーと強く関係?

ミニスカートにルーズソックスを合わせるスタイルは以前からあったものの、95年頃の「アムラー」(タイトなミニスカに厚底ロングブーツを合わせた安室奈美恵のクールなファッションスタイルをマネする女の子たち)出現によりミニスカートが私服でも鉄板化。よって制服もどんどんミニに。
寂しくなった足元には“ボリューム&ロング”のルーズソックスがぴったりだったのです。ちなみにルーズソックスは脚を細く見せる効果も期待されていたので、丈はふくらはぎの一番太いところが目安でした。

♡02年〜07年♡ 露出時代到来 ミニスカはマイクロミニに

ルーズに取って代わったのは清楚でクールな紺ハイソ。これで普通の制服姿に戻る…かと思いきや、今度はスカートに変化が。JKのスカートはマイクロミニ時代に突入します。スカート丈に呼応して紺ハイソの丈は前時代より若干長めに。ひざ下の位置で定着します。
この頃、流行っていたファッションと言えばセレブ・カジュアル。チューブトップに、へそだしなど、街にはほぼ下着のような女の子がゴロゴロ。JKが惜しげも無く太ももをさらしていたのは、この「露出時代」の影響でしょう。

♡08年〜12年♡ 街での露出終了。匂いだつのは「森」

マイクロミニスカートがほんの少し伸びるのは08年〜09年頃。これまでの驚異的な短さが徐々に普通の短さに戻ります。よってスカートとソックスの間に生まれる絶対領域は微減。
マイクロミニガールが減った2009年頃、大流行したファッションと言えば、森にいそうな女の子、「森ガール」です。ロングスカートやふわっとしたブラウスをナチュラルに着こなすロマンチックコーデに人気が集中。露出は少ないどころかほぼゼロでした。

♡13年〜17年♡ スカート増長、「紺ハイソくしゅくしゅ履き」爆誕

この頃、制服史においてある事件が。仕組み上「スカートを短くできない制服」(スカートのひだが2重になっているなど)がちらほら出てきたのです。
短くできないなら、短くできないなりにおしゃれを生み出すのがJK。これまでの膝下までのハイソックスをくしゅくしゅと縮めて、ソックスの定位置はぐっと低く、ふくらぎの低めの位置に固定されました。
とは言え、JKの方もミニスカには少し飽きていたのかもしれません。全体のスカート丈も伸び、ひざ上10〜15センチ程度が主流に。紺ハイソくしゅくしゅ履き以外にも、ラインが入った短いスポーツソックスを履くスタイルも人気が出ました。

~ブランドは生き様~ 流行り制服ブランドから読み解くJK史

ラルフローレン、イーストボーイ…など、JKに人気の“ブランド”も、この20年間で移り変わってきた。あのブランドが流行りに流行ったとき、世の中にはどんな変化が?

♡97年〜01年♡ バブルの残り香…? ハイブランド信仰

この頃人気だったのはハイブランド。JKの1番人気のマフラーがバーバリーのチェック柄(2017年現在 定価58,320円)だったというから驚きです。その他の人気ブランドはラルフローレン、ヴィヴィアンウエストウッドなど。
94年にディスコ「ジュリアナ東京」が閉店し、バブルの終結が確実なものとなると、不景気・就活難で嘆くOL、女子大生を尻目に女子高生だけはまだブイブイ。ハイブランドはステータスでした。

♡02年〜07年♡ JK平均化 イーストボーイの一人勝ち

ハイブランド三昧のランキングにも00年頃から徐々に変化が。この時代を席巻したのは今でも大定番のイーストボーイ。
アメリカ東海岸のトラッドスタイルを取り入れたアイテムに人気が集中し、04年に刊行されたあるティーン誌のアイテム別ブランドランキングではソックス、バッグ、シャツ、カーディガン、リボン…と何から何まで、イーストボーイが1位を独占する 結果に。
気になるお値段ですが、カーディガンは7000円程度から、マフラーは4500円程度とぐっとお手頃な価格帯。家がリッチでなくとも、なんでも買ってくれる年上の彼がいなくとも、多くの子がトレンドの服を着られるようになったのがこの時代なのです。

♡08年〜12年♡ プチプラ加速! ユニクロのカラバリに人気集中

ここで一気に注目が集まったのがユニクロ。特にカーディガンはこれまでにない鮮やかな色を含む豊富なカラーバリエーションと、1着3000円という低価格で人気が急上昇。
また2008年には制服専門店Conomiが原宿竹下通りにオープン。専門店として豊富なバリエーションを揃えたラインアップが話題を呼びました。
08年はH&Mが日本に初上陸した年でもあり、世の中はファストファッションブーム。イーストボーイは定番として君臨し続けましたが、制服界でも「低価格」「バリエーションの豊富さ」がキーワードとなった時代です。

♡13年〜17年♡ スポーツブランドなどを取り入れ私服化

この時代もイーストボーイ、ユニクロが依然として大人気。しかし新しい流れとして、アウトドアブランド、チャンピオンのパーカーや、THE NORTH FACEのリュックなど、制服以外のアイテムを取り入れる動きが生まれます。
選ぶポイントは、「自分の好み」「私服でも使える」。制服だから…と分けるのではなく、私服でも制服でも使えるものを購入し、どちらも自分らしく着こなすという新しいスタイルです。コスパの面でも賢い選択と言えるでしょう。

~盛り文化は終了?~ JKの熱意は今、何に昇華されているのか

21世紀。ティーンの間ではデコ大航海時代に突入します。JKは、友人とポスカで友情を誓い合ったカバン、ラインストーンで埋め尽くしたケータイや鏡を持ち歩き、とにかくなんでもかんでもデコって生きていました。あのデコ魂は今、どんな形で昇華されているのでしょうか。

♡97年〜01年♡ ベクトルは「自己アピール」ではなく「リスペクト」

まだデコは普及していませんが、98年刊行のあるティーン誌では大人気のファッションブランド「LOVE BOAT」のショップ袋をコピー機で印刷したものをカットしてノートに貼り、お手製“LOVE BOATノート”の製作過程を紹介する涙ぐましい企画がありました。(紙面には「制作費用10円!」の文字…)

デコによって「オンリーワンのものを生み出す」という認識は薄く、お金のない中、“手間によって憧れのものに近づける”という方向だったことがわかります。

♡02年〜07年♡ 高級志向からオリジナリティーに

2000年ごろから突入したデコ大航海時代。これまでの高級志向から時代はオリジナリティーに変化します。ケータイ、バッグ、ジャージ、鏡、上履き、ノート…と手当たり次第にラインストーンや画嬢(ガラケーの待ち受け画面サイズの画像。恋愛ポエムやアーティストの歌詞が書かれたものが主流)、ポスカなどを駆使し、自分だけのオリジナルデザインに塗り替えていきました。

デコるために、丸いかわいい文字がもてはやされ、ティーン誌には頻繁にモデルのかわいい字を真似て練習するページが登場。プリクラの落書きの小慣れ感やプリクラを貼る「プリ帳」のページ構成の巧みさも“イケてる子”の条件となりました。

♡08年〜12年♡ デコ衰退。時代はデジタルによる「自分盛り」

とにかく盛り上がりを見せたデコ文化ですが、SNSの浸透とともにこれまでのデコへの熱意は徐々にデジタルに集中していきます。友人と撮ったプリクラもプリ帳には貼らず、デジタルデータをオンラインのブログなどで公開するのが一般的に。これまで貼っていたプリクラはお財布の中にしまうだけ。身の回りのものをデコることは少なくなっていきました。

デコに代わって人気を集めたのは、デジタル技術を活用した「自分盛り」。プリクラには極端な「デカ目」機能、足長機能が備わり、背景や落書き充実のほか、いかにかわいく盛れるかがポイントに。

♡13年〜17年♡ 盛りの極地に到達。JKが次に目指すのは

スマートフォン普及率が一気に伸びる2013年頃から、画像や動画の加工技術が急速に進化します。フィルターやスタンプなどを駆使して、画像をおしゃれに加工するようになりました。
また“盛れるカメラアプリ”が大流行し、心ゆくまで目を大きく、肌を真っ白に、輪郭や鼻筋など骨格を調整できるようになりました。JK達はアナログからデジタルの世界に移り住み、究極に盛れる自分の追求を始めます。

しかし2016、17年頃からこの流れは減速。社会でフェイクニュース問題が騒がれ、世の中ごとアンチ・フェイクモードに。
写真を加工すれば誰でもかわいくなれることが浸透し、“作り込んでかわいい”は当たり前になりました。インスタグラマーによるステマの横行は「#底見えコスメ」(=底が見えるまで愛用したコスメ)の流行を生みます。“作り込まれた感”や“嘘っぽさ” は徐々に排除されるように。

「自分盛り」に代わって、その後のJKが大切にするのは世界観。スイーツ、カフェ、美容、ファッションなどライフスタイルごと魅力的な存在に憧れるようになります。 “フォトジェニックな場所orものと、統一感のある加工”がマストに。そんな世界観の住人である自分が一番かわいいのです。

いつの時代もJKは正義

携帯電話と紺ハイソが少しずつ普及し始めた97年からの20年間。女子高生のスタイルは時代の流れとともに大きく変化してきました。どの時代のJKもその時代に使えるツールを最大限に活かし、独自のファッション、そしてカルチャーを生み出してきたのです。それが世の中の役に立とうが立たまいが、全く関係ありません。JK文化はいつでも新しく、美しい、希望に満ちた正義なのです。

(執筆:伊藤紺 イラスト:ery)
Presented by :株式会社おくりバント 高山

この他にもエキサイトでは各種企画記事を用意しているようです。
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