エキサイト20周年企画第六弾|プリンの歴史を振り返ってみた。

プリンの歴史を振り返ってみた。

コンビニやスーパーで気軽に購入できるスイーツのひとつ、「プリン」。簡単に手に入るお手軽スイーツのように見えて、実は奥深く、その栄養素もここ最近注目されています。

本記事では、エキサイト20周年と掛け合わせ、プリンの20年の歴史を振り返ると共に、プリンの作り方や美味しい食べ方、原材料などを紐解いていきます。

最近プリン、いつ食べた?
最近プリン、いつ食べた?

プリンの歴史を振り返ってみよう。

プリンと言えば「プッチンプリン」を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は「その姿はほんの一例」なんだそう。

そう語るのは国際プリン協会会長の濱口 竜平*さん。自らを「プリンマン」と名乗り、この世にプリンの魅力を広める活動を行う、プリンの伝道師です。

*濱口竜平: 『マツコの知らない世界』を筆頭に、多くのメディアからオファーがかかる。「プリンで世界中に笑顔を咲かせる」ことをモットーに「三方良し」のビジネススタイルを追求しながら47都道府県のご当地プリンを作るべく全国行脚中。「いのちのおかし プリン教室」も絶賛開催中。

エプロンのワッペンだってプリンなのだ!
エプロンのワッペンだってプリンなのだ!

プリンマン:日本で主流のプリンは、見た目がカラメルソースを冠したどっしりとした佇まいでお皿に型抜きされて出されることが多いですが、発祥の地とされているイギリスでは、プリンは「プディング」という呼称でむしろ蒸し料理の総称として使われており、ヨーロッパから伝わってきた際に日本人の耳には「プディング」が「プリン」と聞こえ、その名が浸透していったようです。

『プディング』とは、蒸す料理のこと。要するにプリンは、元々お菓子ではなくて料理だったようです。伝来当時の日本の家庭では、蒸すという調理法があまり一般的ではなかったことや、都内の喫茶店が発売したプリンが瞬く間に大人気になったり、食品メーカーさんが開発したインスタントプリンも手軽さが好評でロングセラーになったりということが、お菓子として発展した理由のようです。これは記事をお読みの皆さんも知らなかったのではないでしょうか。

E・レシピのプリンレシピはこちら

——プリンはどのようにお茶の間に浸透していったのでしょうか?

プリンマン:1962年にモロゾフ日石ショップという喫茶店で登場したプリンが、それまでのプリンと違い大きさと柔らかさが評判となりました。その後1964年にハウス食品が、プリンを家庭で簡単に作れるようにと「プリンミクス」を発売し始めました。それが「プリン=カスタードのなめらかな舌触り優しい味わいにほろ苦いカラメルソースのちょっといいおやつ」として一般家庭に幅広く定着させるきっかけになったと思います。

プリンマン:そして1972年にグリコの「プッチンプリン」が登場し日本中で大ブームとなりました。1980年代には、どこのデパートのレストランでもメニューに「プリン・ア・ラ・モード」があったり「お子様ランチ」には必ずと言っていいほどプリンがついていました。そして、1993年(平成5年)にパステルが今までの固形感のあるプリンから、固形感のない柔らかでなめらかな食感の「なめらかプリン」を開発し、「なめらか」ブームを作り上げ、プリン史に大革命をおこしました。一見、姿形がそこまで変わっていないように見えるプリンですが、時代と共に多くの変化をしているんですよ。

——なめらかプリン、確かに90年代によく食べた覚えがあります!

ここ20年のプリンの変化

——それでは、2000年代以降はどのように変化していったのでしょうか?

プリンマン:2000年代は、共働き世帯が増え、お菓子を自分たちで作る家庭が減少していきました。味の面では、2007年くらいからは『濃厚プリン』もひとつのブームになっていきました。コンビニやスーパーで今でも多く見かけますよね。
  
プリンマン:個人的にこの年代の中でのオススメは“酸味が弱いフルーツ”をプリンとあわせた「バナナカスタードパフェ」ですね。一見難しいように見えますが、簡単に作ることができますよ。

——今度家で作ってみようと思います。

では話の続きですが、2010年代のここ最近のプリンはどうなのでしょうか?

プリンマン:2010年代には、SNS映えを狙ったプリンが増えていますね。何度か見たことはあるのではないでしょうか。もちろん美味しさへの追及もあるのですが、コミュニケーションが重視されていく時代になっているのかなと。

――味覚的満足よりも「いいね!」への欲求が増加したんでしょうか。

プリンマン:はい。特にレシピサイトがスマートフォンで簡単に見ることができる世の中になったので、それは顕著に表れていますね。

プリンマン:ちなみにコンビニで売っているプリン、特にデコレーションされているものや大きいものは、女性よりも男性のほうが多く購入しているようです。ケーキ屋さんに行ってプリンを買うのは、男の人ひとりだとハードルが高いけれど、コンビニでは気軽に買えますからね。

――確かに「男プリン」のようなサイズの大きめなプリンも増えているような気がします。それではこれらを踏まえて考えると、未来のプリンたちはどうなっていくのでしょうか。

プリンマン:今までプリンはおやつやお菓子の側面が強かったのですが、今後は健康に気を使ったプリンも増えると思います。ヨーグルトで作ったものや、機能的な側面を持ったプリンなど……。豆乳を使ったプリンなんかも簡単で良いかもしれませんね。

――アレルギーを持っている人に向け、牛乳も卵も入っていないプリンとかはいかがでしょう。

プリンマン:そこまで行くともはやプリンじゃないかもしれないですが……(笑)。とはいえ、プルンとして甘いスイーツは、ほとんど「プリン」と呼ばれているので、そういうのも今後は開発されていくと思います。

ところで、いまお話ししたプリンの歴史の話は、プリンの表側についてなのですが……、どうです? 「裏側」も気になりませんか?

——裏側……。と言いますと?

プリンマン:裏側とはつまり原材料や原産地のことです。僕のプリン教室では調理をする前に、裏側の話を聞いてもらっているんですよ。

『食べる』ということは『生きる』ということ。そう考えると、ちゃんと命の通った原材料や原産地を選びたい。それは贅沢とはまた違う気もしていまして。

——ええ。

プリンマン:……。あの。この話、ここで終わらせたくないので、せっかくなので牧場でお話ししませんか?

——ええ……!?

牧場に行ってみた。

プリンマンが連れて行ってくれた牧場は、東京都八王子市の山あいにある「磯沼ミルクファーム」。遠いように思えますが、新宿から約一時間ほどで到着しました。

プリンマン:ここは全国の他の牧場と比べると、ちょっと異質なんですよ。

——異質……?

プリンマン:プリンの原材料である卵や牛乳は、大量生産によって事務的に機械的に作られることがほとんどなんですが、ここ磯沼ミルクファームでは、「アニマルウェルフェア(家畜福祉)」という考え方による、牛と人の幸せな牧場、街の中の美味しい楽しいを体験できる牧場を目指して人道的で手間のかかる運営をされています。

ほら、あの牛を見てみてください。

牛の警戒心が薄く、人懐っこくてこっちに近づいてきています。人間のことを信頼している証ですね。ちなみに、一般の牧場の牛が外部の人間に慣れていることは、ほとんどないことなんですよ。

磯沼ミルクファームを経営する磯沼さんは、「ミルクは愛でできている」と言います。

磯沼ミルクファーム経営者の磯沼正徳氏
磯沼ミルクファーム経営者の磯沼正徳氏

礒沼さん:愛情を込めて牧場を運営したい、でも、それは一般の牧場からしたら不思議に思われることなんです。効率も悪いし、コストもかかる、そして家畜に愛を持って接するには覚悟も必要です。出荷されるときはツラいですからね。でも私たちは、牛たちを人間の生活に役立てるための「産業動物」と考えていません。

プリンマン:日本の一般的な牧場の中で、先々出荷されてしまう乳牛や肉牛に名前を付けているところは非常に少ないんです。確かに観光牧場では牛に名前を付けてますが、基本的に名前をつけて愛情をこめて管理するようなるようなことは他の牧場はほとんど見かけないですね。まずしないですもんね。それが良い悪いではなくて、そういう管理の方法もあるってことを知っておいても良いかと思います。

礒沼さん:やっぱり人と同じで、牛にも色々な子がいます。おっとりしている子だったり、人懐っこい子だったり、勝気な子だったり。そういう性格の違いを分かってもらえると、私たちも嬉しいです。

——高級なミルクを作りたいから、このような育て方をしているということではないんですね。

礒沼さん:はい。贅沢品を作っているわけではないんです。あくまで牛に愛を持って接しており、そうすると自然にミルクも美味しくなっているんですよ。

プリンマン:確かに本当に美味しいですからね。愛情をひしひしと感じます。

——あ、さすがプリンマン、プリンを見つけるのが早いですね。

プリンマン:まあ、そりゃあ、プリンマンですからね。牧場で食べられるプリンなんて、そんな珍しい機会は絶対に逃しませんよ。というかこのプリン、濃厚なクリームの味わいと、なめらかな食感がたまりません。さあ、食べてみてください。

——本当だ! 美味しい……。(さすがプリンマン!)

プリンの神髄は、「自分ではない誰かへ作ること」

——ちなみにプリンマンさんは、なぜプリンを好きになったのでしょうか?

プリンマン:僕のプリンの原体験の話をすると、全ては母が作ってくれたプリンから始まっているんです。その時は『美味しかった』というより、『嬉しかった』んですよ。

——確かに私も、母にプリンを作ってもらった記憶がありますね。

プリンマン:メスの鶏の卵と、メスの牛のミルクから作られるプリンは、そう考えると「お母さんの食べ物」だと言えるかもしれません。「母親の愛情とか命が詰まっているのでプリンはいのちのお菓子」なんですよ。

「誰かのために」作るプリン。長いことお茶の間で愛されてきたプリンは、派手じゃなくても、装飾が凝っていなくとも、シンプルに愛を伝えるためのお菓子なのでした。

皆さんも、家族や恋人、友人に、プリンを作ってみてはいかがでしょうか?

きっと、その愛が伝わりますよ。

E・レシピスタッフより~

エキサイト20周年コンテンツをご覧いただいたみなさま、 取材にご協力いただいたみなさま、この度は誠にありがとうございました。

身近なスイーツである「プリン」は、 牛乳と卵というシンプルな材料で作れるため、ご家庭の手作りスイーツとしても、幅広い年代の方に親しみ愛され続けています。

この記事を通して、少しでも「手作りであること」の魅力を感じていただき、
大切な人や家族に手料理を作りたい、と思っていただけたら幸いです。

私たちE・レシピは、忙しい現代人でも手軽に作れる
“普段使いのレシピ”から、きちんと手間ひまかけて作る“おもてなしレシピ”まで、
さまざまな食のシーンにあわせたレシピをご提案しています。
心から料理が好きなメンバーと一緒に、彩りの美しさはもちろん、栄養バランスを考えられたレシピを豊富に揃えております。

これからも食べる楽しみ、そして作る楽しみを通して、
日本中、そして世界中の食卓においしい笑顔をお届けします。
今後ともE・レシピをよろしくお願いいたします。
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取材協力

濱口 竜平氏 &プリンピック:プロフィール
1972年仙台生まれ、6歳からプリン好き。年間300個以上のプリンを実食するプリンマン。
プリン専門店開業→3店舗運営するも震災をきっかけに休業→プリンコンサルタントとして事業再開し、現在に至る。
47種ご当地プリン(Pudding47)を産みだすべく、今までに2万種類以上の試作経験で野菜・果物・飲料・調味料などあらゆる素材をプリンやだしプリン(茶碗蒸し)にすることが出来る。希望者向けに、ブランディング、コンセプトづくり、産地見学、材料選定、製法、店舗内外装、運営接客等まで提案&伝授し、2020年プリンピック開催のため2017年より東京在住。
http://11purin.com

磯沼ミルクファーム:プロフィール
磯沼ミルクファーム (http://isonuma-farm.com
代表 磯沼正徳(イソヌマ マサノリ)
〒193‐0934 八王子市小比企町1625
電話 042-637-6086  FAX 042-637-6186
Mail:cowcowtokio@gmail.com

E・レシピ
https://erecipe.woman.excite.co.jp/

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