エキサイト20周年企画第一弾|自撮りおばあちゃん・西本喜美子さんに、「人生の3つの大きな坂」を聞いてきた。

自撮りおばあちゃん・西本喜美子さんに、「人生の3つの大きな坂」を聞いてきた。

こんにちは。ライターの長橋と申します。

2017年12月、「エキサイト株式会社」はサービスインから今年で20周年を迎えたそうです。
(おめでとうございます!!!)

この20年という年月は一見長いようではありますが、人として考えた場合、“やっと成人になる年齢”。僕も20歳の頃は、お金も全然無いし言葉も喋れないのに、「フランスに行ってクリエティブな仕事をしたい」なんていう“しょーもない漠然とした夢”を持って過ごしていました。要するにまだまだ“子供”ってことです。

そこで今回は、人生の「先輩」であり、またエキサイト株式会社のミッション「心満たされる、コミュニケーションへ」も身を持って実現している“あの人”にお話を伺い、人生とはなんぞや、大人ってなんぞやっていうのを聞いてこようと思います。

その“あの人”というのは……
今や世界が注目しているアマチュアカメラマン・西本喜美子さんです!

じゃーん!!!!

熊本県在住の西本さんは、72歳のときに、アートディレクターである長男が主宰する写真講座「遊美塾」で初めてカメラを触り、画像処理ソフトを巧みに使いながら自宅内で写真撮影やデジタルアート制作に没頭。その後自身をモデルにした「自撮り写真」がSNSを中心に大きな話題となり、昨年88歳のときにフォトエッセー集「ひとりじゃなかよ」を出版されました。

西本さんは現在も精力的に作品を制作しており、2017年12月15日~2018年1月18日まで、東京・新宿で写真展「遊ぼかね」を開催するなど、その活動が多くの評価を受けています。

簡単に言うと西本さんは“現代に生きるコンピューターおばあちゃん”であり、最近は自撮り写真が日本のみならず世界中で注目されているくらいのスーパースターなのです。

そんな「人生の偉大な先輩」は、これまでどのような人生を歩んできたのでしょうか。

今回は、成人したばかりのエキサイト株式会社にも今後立ち向かうであろう「人生の3つの大きな坂」を西本さんに聞きつつ、これまでの人生を一緒に振り返っていきたいと思います!

20代は、競輪選手だったんです。

長橋

西本さん、本日はよろしくお願いします。

西本さん

はい、どうぞよろしくお願いします。わざわざ熊本まで来ていただいてありがとうございます。

長橋

そうなんですよ。熊本まで来るのに色々災難に巻き込まれたんですけど……。ってか西本さん……。

西本さん

はい?

長橋

普通にiPhoneを使っているんですね……!!!!

西本さん

はい(笑)。写真を撮る際も、連絡を取る際も、スマホの方が使いやすいんですよ。LINEだとすぐに写真や動画を送れますからね。

長橋

やばい、本当にコンピューターおばあちゃんだ……。

西本さん

それで、今回はどのような用事で来ていただいたんでしたっけ?

長橋

はい、今回はエキサイト株式会社がサービスインから今年で20周年を迎えるということで、そのお祝いを西本さんにもしてもらおうという本当に身勝手なお願いをしに来たのと、あとは西本さんの人生を振り返って、その中で印象に残っている「3つの坂」を聞きたいなと思って参りました。

西本さん

3つの坂?

長橋

よく結婚式とかで言うじゃないですか。人生における3つの坂、それは上り坂と下り坂、そしてまさかだと。西本さんの人生の中で、そういった分岐点のような「坂」はどこにあったのかなと……。

西本さん

はいはい。要するに、今までの私の人生を、うまく語ってくれってことですね。

長橋

あ、すみません、そういうことです。お話が早くて助かります。

それで早速なんですけど、西本さんの人生における“上り坂”を教えていただけますでしょうか。

西本さん

パッと思いつくのは……、独身時代に競輪選手として各地域を回ったことですかね。

長橋

競輪選手? 西本さん、競輪選手だったんですか? え? 本当ですか?

西本さん

本当ですよ(笑)。

それまでは美容師の仕事をしていたのですが、この時自宅でお客さんの髪を切ることが多かったので、閉じこもりの生活をしていたんですよ。当時は外に出られないことが苦痛で仕方がなくて、ずっともやもやしていました。

そこで思いついたのが、競輪選手だったんです。

長橋

方向転換がすごい。

西本さん

当時私の弟が競輪選手として全国を回っていて、それでちょっと羨ましい部分もあったのかもしれません。思い立ってすぐに、競輪選手の試験を受験しました。これは24歳くらいの時です。

長橋

思い立ってすぐにできる話なんですかね……。

西本さん

その時はそうは思わなかったんですけど、改めて考えると行動が早かったかもしれませんね。最初は美容師と並行して競輪選手の仕事をしていたんですけど、競輪選手の方がおもしろかったので、美容師はすぐに辞めてしまいました。

長橋

おもしろいかおもしろくないかで仕事を決めるって、最近の若者っぽいな……。

西本さん

選手になった後は汽車に乗って各地方を回っていたのですが、本当に何もかもが新鮮で、とても楽しかった覚えがあります。もちろん競輪選手としての仕事も楽しかったですけどね(笑)

もし美容師をあのまま何十年も続けて、やりたいことに制限をかけるような人生を送っていたら、72歳からカメラを持つことなんか考えなかったかもしれません。

長橋

「好きなことで生きていく」ってやつですね。

西本さん

はい。そういうことですね。その意味でもあの時の選択は正しかったですし、この時は人生の中でも上り坂を登っていたのだと思います。

長橋

今回エキサイトのためにわざわざ撮影してくれた新作も、上り坂を表現しているんですよね。

今回の記事のために撮り下ろしてくれた新作
西本さん

そうですそうです。今は競輪用自転車ではなくてシニアカーに乗っているので、このような写真を作成しました。どうでしょうか……?

長橋

最高です! エキサイトも今頃東京で、泣いて喜んでいると思います!

西本さん

そういえば、今日そのエキサイトさんは来られなかったんですか?

長橋

ちょっとですね、熊本に来る際、“いろいろ”ありまして……。

腰が健康だったら、写真は撮れていなかったのかも。

長橋

逆に、辛かったこと……「下り坂」を教えていただけませんか。

西本さん

それは……5年前に主人が亡くなったことですね。

あの時は本当に辛かったです、心にぽっかり穴が空いたような気がしました。

長橋

確かにずっと寄り添っていた旦那さんが亡くなるのは、本当に辛かったでしょうね……。

西本さん

でも不思議と、主人が亡くなった後も写真に対する熱は消えなかったんです。主人は私のやる事にはほとんど釘を刺して来ない人で、本当に好きにさせてくれていたので、亡くなった後もその「好きなこと」を続けていこうと思えたじゃないかと。

長橋

ほう……。いい旦那さんだ……。

西本さん

主人の病室にカメラを持って行って、病室で自撮りを撮ったくらいですから。

長橋

それはやりすぎでは。

西本さん

実際に写真もありますけど、見ます? これ世の中には初めて出すんですけど……。

長橋

シュールすぎる。笑っていいのかわからない。

西本さん

個室ということもあり、主人以外は誰も病室にいないため、本当に退屈だったんですよ。ベランダに出て、カーテンがあったから、それを使って……。

長橋

その様子を看護師さんが見たら、ダッシュで助けにくるヤツですよ。まじで。

西本さん

はい(笑)。あ、そうそう、主人の話と同じくらい、「下り坂」と呼べる辛いことがありました。

長橋

と、言いますと。

西本さん

腰が悪くなって、歩けなくなったことです。

長橋

辛い……。

西本さん

辛いというか、悔しいんですよね。これまで生きてきた中で、そんなに大きな悔しい思いはしていないんですけど、腰がもう少し健康だったら……っていうのがありまして。例えば塾のみんなで外に出て、一緒に写真を撮りたかったなとか。

長橋

お一人で写真を撮るのは寂しいですものね……。

西本さん

とはいえ、その腰が痛くなったおかげで、今の写真が生まれたかもしれないんです。

長橋

どういうことでしょうか。

西本さん

ずっと家にいたり、外にいても同じ場所にいたりすると、新しいものを発見できるんですよ。今まで考えてこなかったような、「自分の世界」が出来たわけです。腰が健康だったら、話題になったような写真は撮れていなかったのかもってくらい。ただ、腰が突っ張って写真が撮りにくいのは難点です(笑)。

長橋

新しい視点が生まれたんですね。

西本さん

主人も亡くなって、腰が悪くなって……。私のような明るい人間でも、ダメな時期は来ると思うんです。でも、それがのちに、絶対に何かに繋がるんですよ。だから例え悪いことが起こっても、「これは経験だ」って思うようにすれば、自ずと良い方向に人生が向いていくのではないでしょうか。そう私は実感しています。

長橋

世の中のダウナーな若者に聞かせてやりたい。

自分の家でやっていたことが、世界でウケるなんて思わなかった。

長橋

最後に、思いがけず起こった「まさか」を教えていただけませんか。

西本さん

人生の中で、予期していなかったことってことですよね……。

長橋

はい。

西本さん

ひとつは、世界中に私の写真が広まったことですね。まさか、日本のみならず海外の方も私の写真を見てくれるなんて思っていなかったので……。

長橋

たしかに自分の作ったものが海外で人気になっていたら、衝撃を受けますよね……。大きな壁を超えたっていうか……。

西本さん

日本にはこんなおばあちゃんがいるぞ! っていうことをいろんな方に知ってもらったので、それは私の誇りでもあるんですよ。

長橋

自分のおばあちゃんが西本さんだったらめっちゃ誇りになります。

西本さん

そして、あともうひとつは、本を出版したこと、です。

長橋

それさっき飛行機の中で読ませていただきました!

西本さん

ありがとうございます。でもまさか、私の写真が本になって出るとは思っていなくて。まさかそんな依頼が来るなんて思いもしなかったのですから。

長橋

青天の霹靂ってやつですね。

西本さん

実際に出版されて、本屋さんにずらっと並んでいて、それは本当に嬉しかったです。自分の家でやっていたことが、本になるなんて思いもしないじゃないですか。おかげさまでいろんなメディアさんから声もかかるし、街を歩いていても一緒に写真を撮ってほしいと言われるくらいです。

長橋

ほぼ芸能人じゃないですか。

西本さん

と言っても、この本は急遽出すことになったので、これまで撮った写真を寄せ集めて作ったんですけどね(笑)。出版した際に、賞状も貰いました。

長橋

おお……! ペッパーくんも嬉しそうですね。

西本さん

このペッパー、熊本弁が喋れるようにプログラミングされているんですよ。

長橋

すごいという言葉しか出てこない。

西本さんが20代に伝えたいこととは。

長橋

最後の質問なのですが、エキサイト株式会社がサービスインから今年で20周年ということで、そんな20歳を迎えた“新成人”及び、20代の若者に伝えたいことがあればお聞きしたいなと……。

西本さん

自分の好きなことをやりなさい、一生懸命やりなさいと言いたいです。自分で一生懸命になれることを選んで、一生懸命やる。その“気持ち”が大事なのだと思います。

長橋

信念に従えと。

西本さん

はい。そこに、出来不出来は関係ありません。人に迷惑をかけない、悪いことをしない、それ以外だったらなんでも良いのではないでしょうか。私は89歳でコンピューターを使っていますけど、これも好きだから使っているだけ。普通、「こんなおばあちゃんがコンピューターを?」って思われるかもしれませんが、自分で一生懸命になれることを選んで、一生懸命やっているだけなんです。

長橋

89歳でも一生懸命になれるんであれば、20代で一生懸命になれないのは甘えってことですもんね。

西本さん

もし私が今20代だったら、なんでも良いから一生懸命に物事に取り組んで、やりたいことをやって、経験を積んで、好きなことをしたいですよ。今は選択肢も昔より広がっているので、若い人が羨ましいです(笑)。

長橋

僕、今28歳なんですけど、30歳までの残り2年間はその言葉を励み頑張ります。まずはやりたいことを見つけることから始めようと……。

西本さん

はい。やりたいことが無い場合、それを見つけることも大事ですからね。

頑張ってください、応援してますよ。

長橋

ありがとうございます!

西本さんとの自撮り写真! 持参した自撮り棒で撮りました。
西本さん

それで、空港で何があったんですか?

長橋

あ、えっとですね……。

羽田空港に行ったら、僕が航空券を申し込んでいた会社が破綻していて、飛ぶ予定の飛行機に乗れなかったんですよ。なので、今回僕ひとり分の交通費しかなくて、ひとりでここに来たんです。

西本さん

さっき長橋さんのインスタグラムで見ましたよ。

長橋

SNSもちゃんと見てるんだこの人……。

図々しくエキサイト20周年もお祝いしてもらいました

89歳になった現在もアマチュア写真家として活動を続ける西本喜美子さんの展覧会「遊ぼかね」が東京都新宿で12月15日~1月18日まで開催されます。

本展では未発表の作品も含め、独特な個性を放つ西本氏のデジタルアート作品を一堂に展観でき、もちろん体を張ったユーモアあふれる「自撮り写真」作品を見る事も可能。

(執筆:長橋 諒、撮影:西本 喜美子)

~ エキサイトブログ担当者より ~

西本喜美子さま
今回は、インタビュー取材を快諾くださりありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

記事を読んで頂いたみなさま、ありがとうございます。
この記事を通して、みなさまに西本さまの前向きな姿勢及び、
「自分で一生懸命になれることを選んで、一生懸命やる、出来不出来ではなく、その気持ちが大切である」というメッセージが伝われば幸いです。
人生において色々な坂があっても「自分の好きな事」があったから乗り越えられたんだと思います。

エキサイトブログは、サービス開始当初より大きな画像を扱えることから、多くのフォトブロガーに愛されてきました。
SNSの時代になり、インターネット上におけるコミュニケーションの場が多様化していく中で
今後もブロガーと読者にとって最高のコミュニケーションの場を提供していきます。

エキサイトブログを今後ともよろしくお願いいたします。

エキサイトブログは、画像とデザインにこだわり、日々進化しています。
■ブログアプリ
画像に特化して洗練されたデザインのブログが作れるサービスアプリ
画像加工はもちろん、ボタン1つでGIFアニメを作って「動くブログ」にすることもできます。
動物、料理、グルメ、おでかけなどのジャンルで効果的です。
こちらから「動くブログ」を作ってみてください。
■エキサイトブログ
■プラチナブロガー:素敵なブロガーのおすすめ記事

「人生における3つの大きな坂」 を大募集!

西本さんの3つの坂に因んで、エキサイトブログでも皆さんからの「人生における3つの大きな坂」を大募集します!!

『三つの坂』とは・・・

上がり坂:嬉しかったことや楽しかったこと
下り坂:辛かったことや悲しかったこと、悔しかったこと
まさか:驚いたこと

3つ全部でもいいですし、どれか1つでも構いません!
素敵な投稿をされた21名の方には、スペシャルなプレゼントを差し上げます。

エキサイト大賞(1名):坂を超える自転車
参加賞(20名):西本喜美子さんのオリジナルステーショナリー

たくさんのご応募をお待ちしています!

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